罠猟をやっている猟師に以前話を聞いたところ、なんといっても大変なのが毎日の見回り。
罠を仕掛ける数が多ければ多いほど、その確率が上がることは間違いないが、毎日獲物がかかっているかチェックする必要があるため、比例して労力も増える。
そこで登場するのがIT技術。センサーなどを活用して、獲物がかかったことを知らせるアイテムが目につくようになってきた。
今回はそんなセンサーシステムの中でも、携帯電波のエリア外でも通信が可能という特徴を持つ「LPWA」という通信方式のシステムである。
ソースはこちら。五島列島で実際に合計100機余り導入されるという。

ほかパト | 長距離無線式捕獲パトロールシステム
三重県にある株式会社アイエスイーという「一貫して電子機器の設計・開発・販売の業務」を行なっている会社である。製品は、「ほかパト」という製品の前に「獣害IoT」として2011年からセンサー関連の商品をリリースしている老舗と言えるだろう。
その特徴の一つ、通信方式LPWAを採用しているということだろう。
山中に携帯電話網が届かないことは良くある。それが制限となってセンサーの導入の足枷になっていた方にとっては、携帯電話網の必要がないLPWA方式の採用は大きなメリットになるだろう。
LPWA方式については京セラのWebサイトがわかりやすかった。
中でも目を引く特徴を引用しよう。
簡単にいうと、省電力で遠くまで伝送が可能な方式であり、狩猟との相性が良いことがすぐにわかる。
長距離通信
「Low Power Wide Area」の名が示すとおり、LPWAは長距離通信を想定した規格となっています。通信方式や通信環境によりますが、数km~数十kmの長距離伝送を実現できます。
低消費電力
通信頻度など条件によりますが、電池1つで数年単位の稼働も可能なほど省電力です。
https://www.kccs-iot.jp/service/lpwa/
Webサイトが充実しており、製品紹介動画まで用意されている。興味がある人は覗いてみると良いだろう。
狩猟センサー関連商品
いくつかピックアップしてみる。
製品名の後ろのカッコは通信方式。
ここ数年で狩猟用のセンサー商品がいくつもリリースされていることに加えて、LPWA方式がいくつかの製品にも採用されていることがわかった。トレイルカメラなどはとても入手しやすい金額でAmazonなどでも多数販売されている。
スマートトラップ(3G)

わなベル(LPWA)
害獣捕獲監視システム マタギっ娘(LPWA)
まとめ
足早に罠猟などに活用可能なセンサー搭載のIoT の触りを確認した。
ハンターの高齢化、地方の過疎化や人手不足などの課題を解決する手段として、関連商品の充実は明るいニュースと言えるだろう。
罠にかかった獲物は苦しむ時間が短く、なるべく早く対応することが獲物にとってせめてもの償いとなる。昔ながらの狩猟にも魅力はあるが、効率よく、現代的なアイテムも活用して社会的な問題に取り組む柔軟性も求められていると言えるだろう。